ネットの情報に振り回され、見失っていた想いを整理。「すべてを妻へ」という究極にシンプルな遺言書が完成した事例
◆ ご相談者様の属性
● 年代・性別:70代後半・男性
● お住まいの地域:滋賀県東近江市(周辺地域)
◆ ご相談内容
「自分が亡くなった後、同居している妻の生活が心配なので遺言書を作りたい」とご相談にいらっしゃいました。
ご相談者様はインターネット等で非常によく勉強されており、「法定相続分」や「遺留分(最低限もらえる取り分)」などの知識もしっかりとお持ちでした。
しかし、お話を伺うと、財産の分け方、お寺や仏壇のこと、ご家族への個人的な想い、そして「自分が死んだ時にすでに妻が亡くなっていたらどうするか」といった様々な情報や仮定が頭の中でごちゃごちゃに絡み合ってしまっているご様子でした。
真面目にお調べになったからこそ、ネット上の知識とご自身の想いとの間で乖離が生じ、多くの情報に振り回されて「ご自身の本当の気持ちを見失ってしまっている」状態でした。
◆ 当事務所のサポート内容・解決策
① 「情報」の整理と「本当の願い」
お話をじっくりと紐解いていく中で、ご相談者様の願いはただ一つ、「残される妻が安心して暮らしていけること。そして、妻に面倒な手続きの負担をかけないこと」でした。
法律の制度(法定相続分など)は確かに存在しますが、「遺言においては、ご本人の意思が一番大切である」という原点に立ち返り、見失われていた本当のお気持ちを整理するお手伝いをしました。
② あえてしないという選択
法律家としては、万が一(奥様が先に亡くなられた場合など)に備えた「予備的遺言」を書いたり、お子様からの「遺留分」の請求を完全に防ぐための複雑な対策を詰め込んだ「法的なリスクを考慮した遺言」をご提案することも可能です。
しかし、ご相談者様には「子どもたちを信頼している。もし妻がいなければ、子どもたちで自由に分けてくれればいい」という思いがありました。
法的なリスクと対策の選択肢をすべてご説明した上で、今回はあえて複雑な条項は入れず、ご本人のご希望を最優先することにしました。
③ シンプルな遺言と、手紙という形
最終的に作成した公正証書遺言の内容は、「すべての財産を妻に相続させる。その手続き(遺言執行者)は当事務所が行う」という、極めてシンプルなものになりました。
また、ご家族への感謝などのお気持ちについては、遺言書の中の「付言事項」として法的な書面に残すのではなく、ご相談者様ご自身の手で書かれた「お手紙」として封筒に同封する形をとりました。
◆ 解決までの結果
完成した遺言書案をご覧になったご相談者様は、そのあまりのシンプルさに最初は驚かれていました。
しかし、「色々な情報を見すぎて、自分の本当の気持ちを見失っていました。このシンプルな内容で、私の心配事はすべて解決しています」と深くご納得いただきました。
「私が死んだ後の妻が心配でしたが、遺言を作成して本当にすっきりしました。子供たちを信頼して遺言を残します」と、ご来所時とは見違えるような晴れやかなお顔でお帰りになられました。
◆ 担当司法書士からのコメント
現代はインターネットで簡単に相続の知識が手に入りますが、その結果「どう書くのが正解か」という情報に振り回され、ご自身の本当の気持ちが分からなくなってしまう方が非常に増えています。
遺言書に「すべての家族の未来を完璧にカバーする100点の正解」はありません。
時には、法律の枠組みにとらわれすぎず、ご家族への「信頼」をベースにシンプルな形に削ぎ落とすことが、ご本人にとって最良の答えになることもあります。
当事務所では、専門家としてのリスク説明は必ず行った上で、無理に複雑な手続きを押し付けることはいたしません。
「色々調べたけれど、結局どうしたらいいか分からなくなってしまった」という方も、お話をお聞きしながら一緒に整理していきますので、どうぞ安心してお越しください。
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